嘘
めったなことでは人に見せない、闇の中の俺がいる。脳を支配されそうになる度、振り払おうとがむしゃらに突っ走って息をきらす。
どんな時でも柔らかくいられたら、口笛を吹くように流れていけたら、ずっと楽に前に進めるのにこの噛みきれない気持ちは何だろう。
これが正しいと信じてるのか、信じようとしてるのか。
俺は嘘つきだ。
人とこれから先の話をするとき、なるべく前向きな答えを示そうとする。そして相手に言いながら、実は自分に言ってる。言い聞かせてる。
そうやって自分自身後戻りする道を消していかないと、本当は怖くてしょうがないんだ。
自分は何がしたいのか。
そもそも何がしたかったのか。
絶望しては立ち直り、また熱くなって繰り返す。ひたすら繰り返す。
俺は何と戦ってるんだ。
歩く道、ふとした事で「ああ、俺、土を踏んで歩くの好きだったな」とか気付いたら泣けてくるのはなんでだ。